『ライ麦畑』プロジェクト

勝手にひとりで、『ライ麦畑でつかまえて』の2種類の翻訳を読んで、いろいろ考えてみようプロジェクトをこっそりやっていたのだけど、これがまあ苦しかった。

失礼な話だが、わたしはこの物語にまったく共感できずにいる。読んでいるだけでイライラしてしまうので、幸い、私はこの本にのめりこんで、有名人を襲撃するようなことは無いと思われる。

さておき、結果としては『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』を読みたくて、翻訳本を読み直したわけですが、わからない、、シンプルな思考回路しか持合せない自分には、何度、誰が訳したものを読んだって、イライラするのは同じでした。少しは弾力性のある理解能力を養ったつもりでいたので、無念です実際。

サリンジャー戦記』の中で、妹のフィービーが、兄のホールデンのことを呼ぶ際の YOU を「あなた」と訳した理由について書かれていた。『キャッチャー』を読んだ時に、確かにその箇所が気になったことを思い出した。読み手の自分が、登場人物達に対する理解が浅いせいなのかな。古典作品だから、読み込んでるひとには、もしかしたら受け入れられることなのかもしれない。

それとタイトルの話。あえてカタカナでそのまま表記にした理由。これも古典だからなせる技なのか。カタカナの映画タイトルと同じように、邦題にして意味を固めず、ブラックボックスとして読み手に丸投げしちゃうという。文学でもそれがアリな時もあるんだな、と知る。

ともあれ、やっとプロジェクトから解放されたー。もう『キャッチャー』読みたくない。
 

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)

 
のに、なぜ私の本棚には下記の2冊もあるのかしら。。昔はサリンジャーを理解できていたのだろうか(記憶に無い。。)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

フラニーとゾーイー (新潮文庫)

フラニーとゾーイー (新潮文庫)