ゴーストライター

実は、ポランスキー監督の映画版を観たかったのだけど
まだツ◯ヤで準新作だったので、旧作になるのを待つという
せこい時間を使って原作の翻訳本を読んでみました。
 
反則技ですが、先に imdb で配役を確認しておいて
脳内で映画化するという、いわばオレ監督にて完読。
オレ的には、華奢なユアン・マクレガーの相手に
キム・キャトラルはゴツいしオリビア・ウィリアムズもちょっと分厚い。
そこがどうやって融合するのだろう。それとも私のユアン像が
すでに90's過ぎるのだろうか。早く本物の映画観たい。
 
さておき読んだ本ですが、イギリス人作家らしく
フンッと思わず鼻で笑ってしまうような箇所がいくつか。
最後の終わり方も、なかなかニクい。「そうか、そうきたか」と。
ストーリーが面白かっただけに、気になってしまった翻訳具合。
 
あの、、原文を読んでないから勝手な意見で申し訳ないけど
訳語のテイストが一定でなくて、だいぶん途中で読むリズムが
狂わされました。各役の発する言葉の雰囲気も所どころ歪むし。
もしかしたら、原文がそうなのかもしれない?けど、
そのまま訳せ、という指令でもあったのかな?と思わずにはいられないほど。
たとえば日本語がオリジナルの小説として、どこぞの賞に応募したら
ぼこぼこに叩かれるんじゃないかと思いました。
 
小説の翻訳は、画面がフォローしてくれないぶん、
言葉が全てだから、厳しいとはおもいますが、ここは一つ、
翻訳の仕事以上の、小説として違和感の無い、
完成度の高い本であって欲しかった、というのが感想です。
 
映像翻訳の勉強をしている身なので、自戒の念も込めて
この自分の意見を、将来の自分に残します。
 
よく覚えておけよ、自分。

ゴーストライター (講談社文庫)

ゴーストライター (講談社文庫)